能登屋旅館(尾花沢市・銀山温泉)概要: 能登屋旅館の創業は明治25年(1892)とされ銀山温泉を代表する老舗温泉旅館です。現在の建物は大正14年(1925)頃建てられた建物で、大正ロマンあふれる銀山温泉の中でも象徴的な景観をもっています。建物は木造3階建て、建築面積333u、入母屋、金属板葺きの屋根で上部の塔屋(現在は談話室として利用、上部が吹き抜け風天井)が印象的な外観をかもし出しています。時代背景から和風を基調とした中で玄関上部のバルコニーや玄関柱の柱飾り、時折見せる半円形の欄間のファンライトなど洋風建築の要素を見ることが出来ます。看板は昭和7年(1932)、後藤市蔵(大石田町出身の左官職人、明治時代から昭和初期に活躍)によって製作されたもので寛文7年(1667)に銀山開発に尽力した「木戸佐左ェ門」の名が装飾されています。能登屋旅館は平成9年(1997)に「国土の歴史的景観に寄与しているもの」との理由から国登録有形文化財に指定されています。泉質は含食塩硫化水素泉。浴用の適応症は神経痛、創傷、皮膚病、婦人科疾患、痔症、リウマチなど。文人墨客からも利用され昭和20年(1945)8月には現在の山形県上山市出身の歌人、斎藤茂吉も湯治に訪れています。
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