父母報恩寺(村山市)概要: 父母報恩寺は山形県村山市楯岡笛田3丁目に境内を構えている浄土宗の寺院です。父母報恩寺の創建は明治36年(1904)、岩手県盛岡市に境内を構えた菩提院が荒廃した為、松岡白雄上人が名跡を引き継ぎ、明治39年(1907)に開山しました。境内にある「雪の観音」は昭和10年(1903)に雪害問題の先駆者だった松岡俊三が建立しました。御堂は奈良にある唐招提寺を模したもので建物の下地中には釈迦が誕生した地土塊を納めているとされ本尊として恵心僧都(1602〜1677)が彫り込んだとされる聖観世音菩薩を祀っています。
又、父母報恩寺見生庵の本尊である銅造阿弥陀如来座像は正徳5年(1715)、京都出身の仏師釜座和田信濃掾が監修し山形出身の鋳造師によって鋳造されたもので座高1.82m、全高2.3m、当初は本覚寺末寺である見生庵念仏堂の山居学翁上人の発願により鋳造されたものでしたが明治時代初頭に発令された神仏分離令とその後に吹き荒れた廃仏毀釈運動により見生庵が廃寺となり、それに伴い明治11年(1878)に本覚寺に移り、さらに大正時代に入り父母報恩寺の境内に見生庵を再興した際、その本尊として迎え入れました。
銅造阿弥陀如来座像は昭和34年(1959)に村山市指定文化財に指定されています。寺宝である木造阿弥陀如来座像は藤原期に製作されたもので、像高44.5cm、座高52.0cm、昭和48年(1973)に村山市指定有形文化財に指定されています。宗派:浄土宗。
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