姥堂(山寺立石寺)概要: 山門から参道を暫く登ると最初の御堂です。ここも山内の結界の1つで、姥堂のある浄土口より上は極楽浄土、下を地獄に見立て往時の参拝者は近くの岩清水で心身を清めてから新しい着物に着替えさらに山頂の奥の院を目指しました。脱いだ古い着物は姥堂に安置されている奪衣婆に奉納するのが常とされ欲望や汚れを落として新しい人間に生まれ変るという機能を持ちました。御堂は木造平屋建、寄棟、茅葺、桁行1.5間(約2.7m)、梁間1間(約1.8m)、平入、正面だけ壁が無く、内部に安置されている奪衣婆と複数の地蔵尊の石仏を直接拝む事が出来ます。奪衣婆とは一般的に閻魔大王の妻とされ、三途の川を渡る為の船賃である六文銭を持たず河原まで来た死者に対し、船賃の代わりに来ていた衣服を剥ぎ取るとされます。当地でもこれらの信仰を受継ぐ風習として興味深いところです。又、正面の巨石は笠岩(笠投石)と呼ばれ慈覚大師円仁が雨宿りした所と伝えられられています。
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