羽黒山厳島神社(出羽三山神社)概要: 羽黒山厳島神社の創建は勉強不足の為に不詳、当時は弁天堂と称し仏教色の強い御堂でした。名称から察すると七福神の一柱弁財天が本尊として祀られていたと思われます。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏教色が廃されると、元々、弁財天と宗像三女神(市杵島姫命、田心姫命、湍津姫命)の1柱である市杵島姫命は同じ女神で水神だった事から神仏習合時代の本地垂迹(八百万の神々は仏に姿を変え日本に降臨したという信仰)では同神とされ、市杵島姫命は世界遺産でも知られる厳島神社(広島県廿日市市)の祭神だった事から厳島神社になったと思われます。
又、厳島神社は津速魂神社と合祀しているようですが、祭神と思われる津速魂命が何故勧請されたのかは不詳。
厳島神社本殿は旧弁天堂を神社として改修したもので、宝形造、銅板葺、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付、外壁は真壁造、板張素地、正面の開口部は仏教色の強い花頭窓が残され、向拝の向って右側の柱には登り龍、左側の柱には降り龍、向拝木鼻には象と獅子、欄間には龍の精緻な彫刻が施されています。
羽黒山厳島神社本殿は出羽三山の神仏混合当時の遺構として貴重な事から平成17年(2005)に鶴岡市指定文化財に指定されています。
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