山居倉庫(酒田市)概要: 山居倉庫は山形県酒田市山居町1丁目に位置しています。 山居倉庫は12棟からなる土蔵の倉庫群で明治26年(1893)に旧庄内藩酒井家の監修の元、酒田米穀取引所の倉庫として建てられました。名称の由来は最上川と新井田川に挟まれた中州が「山居島」との別称があり、その土地に建てられた事に起因し、実際最上川舟運の発着場で当時の荷物の積み下ろしは舟が主流だった為、大変に賑わったと思われます。当初は酒井家が運営、管理を行ってい14棟の倉庫がありましたが、昭和14年(1939)に米穀配給統制法が執行したの受け取引所が廃止となり、その後は財団法人北斗会、庄内経済連、全国農業協同組合連合会庄内本部と所有者が変わりながらも、現在も12棟の倉庫が残りの内9棟が現役の倉庫として利用され、1棟が「庄内米歴史資料館」、2棟が酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」となっています。
倉庫の建物は鶴岡出身の名工として知られる高橋兼吉が設計し土蔵造平屋建、切妻、桟瓦葺、間口13.6m、奥行29.1m、外壁は白漆喰仕上げ、延床面積396u、米を保管するという事で、特に湿気と温度管理に注意が措かれ、屋根は二重に組む事で太陽が直接屋根に当ず、尚且つ屋根と土蔵の間に空間がある事でそこに風が吹き込み温度の上昇を防いでいます。又、倉庫の背後に欅を植える事で、日本海からの強風や西日の直射日光を遮る役目を果し、現在でも樹齢150年以上とも云われる大木が40本程度残っています。
山居倉庫の裏手には倉庫建設当時に酒井家が太郎稲荷と禎祥稲荷を勧請し元々鎮座していた山居稲荷神社を合祀し三居稲荷神社と改称し倉庫の鎮守社としています。現在、山居倉庫は1棟は庄内米歴史資料館として一般公開され内部には「山居倉庫の歴史」「米の歴史と米作り」「農家のくらし」などの主題に沿って資料が展示され、正面には小鵜飼船を展示しています。又、NHK朝の連続テレビ小説「おしん」など多くのテレビドラマや映画の作品のロケ地として利用され商業都市酒田の象徴してポスターやパンフレットなどにも数多く登場し、観光地の1つとして酒田市観光物産館「酒田夢の倶楽」などが併設されています。
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