佐竹家住宅(朝日町)概要: 佐竹家住宅は山形県西村山郡朝日町大字常盤に屋敷を構えている古民家で、元文4年(1739)に火災にあった直後に建てられた肝煎りの屋敷です。木造平屋建て(土間部向かって左端は中2階)、直屋造り、寄棟、茅葺で桁行き24.8m、梁間11.8mあり、上屋と下屋からなる構造で、空間を広く使えるような構造の工夫が随所に見られます。
佐竹家は庄内藩の支藩である松山藩の飛地、左沢領西五百川郷一石楢組8カ村を管理する大庄屋を代々世襲してきた家柄で屋敷の規模や座敷が2室あるなど格式が高い事がわかります。
佐竹家住宅の内部は向かって左半分は土間で「にわ」、「だいどころ」、「まや」、「かってぐち」、「ものおき」などがあり、中央から右1/4は日常生活で利用する「かってま」、「ざしき」、「なんど」などがあり、左端1/4は接客(公的)で利用され「じょうだん」、「ひろま」、「こざしき」、「なかま」、「げんかん」などがあります。
特に佐竹家は米沢藩の最上川舟運の通船差配役を担っていた事から「じょうだん」、「ひろま」、「こざしき」などは公的な役所としての機能を備え、格式ある意匠が採用されました。
佐竹家住宅は建築年代が18世紀前半と比較的古く、記録書により特定され、上層農家住宅の遺構としても保存状態が良好な事から昭和44年(1969)に国指定重要文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-朝日町教育委員会
|
|