浮島稲荷神社(朝日町)概要: 浮島稲荷神社は山形県西村山郡朝日町大字大沼に鎮座している神社です。浮島稲荷神社の創建は大沼の浮島(国指定名勝)を白鳳9年(680)に役小角が発見し、和銅元年(708)に弟子である覚道が祠を建立したのが始まりとされます。
天平2年(730)に現在地へ遷座し、以後、修験僧や歴代領主の信仰の対象になりました。大沼に浮かぶ島は60余りあり、その時々で位置や形が変わる為、古来より自然崇拝の対象となってきたと思われます。島の位置や形で吉凶を占い、特に海上安全に御利益があるとされ、漁業関係の信仰が厚く遠距離からも参拝に訪れるそうです。
鎌倉時代初期の建久4年(1193)には源頼朝が浮島稲荷神社の社殿を再建し、以後地頭だった大江氏の祈願所となります。戦国時代になると、大江氏を攻略した最上氏が浮島稲荷神社を庇護するようになり、最上氏は同家の危機がある毎に参拝に訪れ多くの奉納物を寄進や社殿の改修をしたとされます。
元和8年(1622)に最上家がお家騒動で改易されると江戸幕府三代将軍徳川家光が祈願所とし、社紋に三葉葵を掲げる事を許すなど保護(幕府の要請により藩が社殿改修の義務を負った)しました。
浮島稲荷神社境内にある石灯籠(2基)は元和7年(1621)に最上家信(最上家13代当主、山形藩3代藩主、最上義光の孫)が最上家の御家騒動の安定を祈願して寄進したもので、総高1.7m、貴重な事から朝日町指定有形文化財に指定されています。
浮島稲荷神社拝殿は木造平屋建て、入母屋、銅板葺き、平入、桁行3間、梁間3間、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上げ、三方浜縁、高欄、脇障子付。本殿は、一間社流造、銅板葺き、正面1間向拝付き、外壁は真壁造白漆喰仕上、三方浜縁、高欄、脇障子付。五百川三十三観音第12番札所。例祭:5月5日。祭神:宇迦之御魂命、天熊之大人神。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-浮島稲荷神社
・ 現地案内板-朝日町教育委員会
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