鼠ヶ関(山形県鶴岡市)

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鼠ヶ関:概要

鼠ヶ関:概要: 鼠ヶ関現在では山形県と新潟県の県境、往時は出羽国と越後国の国境に位置し、古代の関所である鼠ヶ関が設置されました。当時の奥州(陸奥国、出羽国)に入るには一般的に白河関、勿来関、鼠ヶ関の何れかを利用した為、奥羽三関(現在では奥羽三大古関)と呼ばれ重要視されました。発掘調査によると平安時代中期から鎌倉時代初期にかけての遺物や建物跡、柵列跡、製鉄場跡、製塩場跡、平窯跡などが発見されている事から概ね鎌倉時代初期までは関所としての機能があったと思われます。江戸時代に入ると庄内藩酒井家が管理し、現在地に念珠関と呼ばれる関所を設けて人物改めや荷物改めなどが厳重に行われました。鼠ヶ関跡地は「古代鼠ヶ関址および同関戸生産遺跡」として昭和47年(1972)に鶴岡市指定史跡に、弁天島念珠関の跡地は平成元年(1989)に「近世念珠関址」として鶴岡市指定史跡に指定されています。又、古代の城柵とされる都岐沙羅柵が設置された説もありますが、候補地が多数あり、決定的な遺跡や古文書が発見されていない事から確定されていません。現在、信用ある資料や古文書で義経が鼠ヶ関を利用したとの確証が得られていません。義経の死後約200年後の室町時代に編纂された「義経記」と呼ばれる軍記物の影響を受け、それに沿った事象や、似通った事象が尾ひれを付け全国に流布し、あたかも本当にあったかのように伝承として伝えられています。地元の自治体も悪気があるのか無いのか分かりませんが、それらの伝承を拠り所とした町づくりや知名度を上げる道具として利用しています。住民にとっても既に根付いた伝承、伝説として好意的に捉え、目立って反対する人も居なく、筆者である私も特別な感情もなく史跡を紹介していきます。

「義経記」と鼠ヶ関: 義経ゆかりの浜碑「義経記」では歌舞伎の所謂「勧進帳」と同じような場面が鼠ヶ関で繰り広げられています。それによると、鼠ヶ関は大変厳しい関所として知られていたので、用心の為、山伏姿に変装し特に義経には使用人のように笈を2つ重ねて持たせました。関所に差し掛かると、武蔵坊弁慶がいきなり義経を杖で何度も打ちつけ、関守が弁慶に理由を聞くと、「私達は熊野の修験僧ですが、この者は代々身分の低く品性の無い家柄の出身者にも関わらず、突然逃げ出したので、ようやく捕まえこのような咎(罰)を与えています。」と答え、その後も絶え間なく打ち続けながら関所を通ろうとしました。関守もこれを見て木戸を開け何の詮索も無しに関所を通し義経一行は出羽国に入りました。と大まかにこの様な事が記載されています。現在知られる「勧進帳」は江戸時代後期の歌舞伎の演目で、場所も加賀国(石川県)の「安宅の関」と異なります。しかし、歌舞伎では何度も公演し、時代劇でも同様な設定として上演されている為、現在「勧進帳」と言えば「安宅の関」と多くの人が感じています。これは、全くの誤解ですが、上記で述べたように「義経記」によって多くの地方に同様な伝承、伝説が発生するのも同じ様な原理なのかも知れません。

鼠ヶ関での伝承・伝説: 義経上陸の地碑地元に伝わる伝承は、案内板によると「『義経記』の義経一行奥州下りの鼠ヶ関通過の条は、歌舞伎の「勧進帳」をおもわせるごとき劇的場面として描かれている。また、当地方には次のような物語が伝えられている。義経一行は越後の馬下(村上市)まで馬で来るが、馬下からは船で海路をたどり鼠ヶ関の浜辺に船を着け難なく関所を通過した。そして、関所の役人の世話をする五十嵐治兵衛に宿をもとめ、長旅の疲れをいやし、再び旅立って行ったという。」とあります。「義経記」と大きく違う所は船で当地に上陸し、関守とは友好関係で、通過出来ただけでなく、宿泊したとされます。鼠ヶ関では現在は地続きになっていますが「弁天島」と呼ばれる岬の浜辺に上陸したと伝えられ、義経とは関係ありませんが厳島神社と、金刀毘羅様が祀られ、海運や漁業関係者から信仰の対象となっています。何故、義経が関所の前に上陸したのか?何故、関守が寛大なのか?かなり疑問点はありますが「義経記」では関守が頼朝側として描かれていますが、地元の伝承では奥州藤原氏側として解釈され鼠ヶ関は既に藤原氏の領地で義経にとって安全地帯だったと思われます。近くには「義経ゆかりの浜碑」や「義経上陸の地碑」が建立されています。

奥州平泉への道・山形県での逃避経路

鼠ヶ関
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三瀬気比神社
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出羽三山
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清川
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白糸の滝
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会津の津
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亀割山
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瀬見温泉
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尿前の関
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鳴子温泉
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