三瀬気比神社(山形県鶴岡市)

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三瀬気比神社:概要

小波渡と義経: 「義経記」によると鼠ヶ関を無事通過した義経一行は、その日のうちに「はらかい」という所で宿泊したとされます。「はらかい」という地名はありませんが、「はらかい」が転じて「はわたり」となり「はわたり」=「波渡」と解釈し現在の山形県鶴岡市小波渡ではないかと言われています。小波渡集落には次ぎの様な伝承が伝わっています。文治5年(1185)、源義経の旧臣、佐藤庄司基晴(奥州信夫郡の領主)が一族14人を引き連れ義経の旧跡を訪ね、北陸道を北上し三瀬まで辿り着くと、長旅の疲れからか基晴は重い大病を患い暫く滞在する事になりました。死を悟ったある夜、基晴の霊夢に義経が現れ「ここから西山の外浜(現在の小波渡)に赴くと霊泉が湧き出ているから、そこに村を開き一族が暮らすと、気比大明神が守護神となり、一族が豊かに暮らす事が出来るだろう。」との御告げがありました。翌日、基晴は一族を集め、この御告げを語ると静かにこの世を去り最後の遺言となりました。一族はその遺言に従い開村したのが小波渡集落で、現在でもその霊泉は「オミジヤ」と呼ばれ年中水量が変わらず懇々と清水が湧き出て、集落の多くが佐藤姓とされます。

三瀬気比神社と義経: 三瀬気比神社:鳥居その翌日に笠取山(笠取峠)を超えて三世(山形県鶴岡市三瀬)に着くと大雨となり、三瀬に鎮座している薬師堂で2〜3日足止めされます。薬師堂は現在ありませんが、三瀬気比神社が比定されています。余り理解出来ませんでしたが、葉山の中腹が薬師堂(薬師神社)跡地とされ、一方、三瀬気比神社は元々現在の境内地にある神池(気比台の池)の畔に鎮座し、その旧社殿跡が義経の遺跡とされます?そのまま読み取れば、薬師堂と三瀬気比神社は全く関係ないようにも思われますが、当時の三瀬気比神社は葉山一体も含む広大な境内で、薬師堂もその管理下にあったのかも知れません。ただし、葉山とは現在の八森山だったとして、薬師堂は八森山ヒュッテ付近にあったという説もあり、そちらが正しければ小波渡や笠取山、三瀬気比神社は義経と余り関係が無いとも言えます。当時、八森山(葉山)に境内を構えていた鍋倉山宮泉寺(現在は鶴岡市内に移転)の文殊堂の本尊木造文殊菩薩像は弁慶が彫刻したとされ義経一行が背負ってきたと伝えられ、井岡寺にも一行が立ち寄り弁慶が書をしたため、その書が残されているそうです。こうなると、「義経記」で記載された印象より山側を沿って行軍した事になります。一方、由良峠にも弁慶清水と呼ばれる旧跡があり、伝承によると弁慶が薙刀を振るい柄尻で大岩を打ち砕くと、そこから懇々と霊泉が湧き出し、主君義経の喉を潤し疲れを癒したとされ、3体の弁慶像が霊泉の守護神として信仰の対象となり、現在では「弁慶大神」として祀られています。

葉山と出羽三山: 八乙女の像葉山は標高153.5m程の小さな山で、国道から見ると特に印象的な感じを受けず何気なく通過してしまう位存在感がありません。しかし、出羽三山の羽黒山から見ると略真西に当たる為、西方浄土を連想させる霊地として見立てられていて、出羽三山を開いた蜂子皇子は葉山の日本海側の断崖にある八乙女の洞窟から出現した美女から手招きを受け当地に上陸したとの伝承が残され、往時はこの八乙女の洞窟と、現在の出羽三山神社三神合祭殿の前にある鏡池とは繋がっていると信じられてきました。そいう意味では本来、阿弥陀如来(月山)や観音菩薩(羽黒山)から見て西方に当たる葉山に東方を司る薬師如来(薬師堂)があるとは考えにくいので、薬師堂と出羽三山とは余り関係が無いのかも知れません。

三瀬気比神社: 三瀬気比神社:社殿三瀬気比神社は敦賀国の一之宮氣比神宮の分霊を勧請した古社で、創建は霊亀2年(716)とされます。境内奥地にある神池(気比台の池)が元々の信仰の源と思われ、湖畔には御池拝所が設けられ古代自然崇拝の名残が見られます。周辺は神域として守られた為、多種多様の植生や古木が点在し学術的価値も非常に高い事から「三瀬気比神社社叢 」として国指定天然記念物に指定されています。又、歴代領主である武藤氏や酒井氏から崇敬庇護され、社領の寄進や社殿の造営が行われ、明治時代には県社に列するなど格式も高い神社でした。本社である氣比神宮から7柱が勧請されたとある為、本社と同様に本殿(本宮)と四社の宮と別れ本殿(本宮)には主祭神とされる伊奢沙別命と仲哀天皇、神功皇后が祀られ、拝殿の周囲には四社の宮である、応神天皇社(祭神:応神天皇)、日本武尊社(祭神:日本武尊)、玉妃社(祭神:玉姫命)、武内宿禰社(祭神:武内宿禰命)が配されています。又、直合殿が拝殿の正面、参道を遮るような場所に配されるなど山形県では見られない境内で興味深い神社です。

奥州平泉への道・山形県での逃避経路

鼠ヶ関
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三瀬気比神社
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出羽三山
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清川
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白糸の滝
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会津の津
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亀割山
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瀬見温泉
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尿前の関
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鳴子温泉
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