杉沢熊野神社(遊佐町)概要: 杉沢熊野神社は山形県飽海郡遊佐町杉沢宮ノ後に鎮座している神社です。杉沢熊野神社には「杉沢比山」と呼ばれる神楽が伝わっている事が有名な神社で、創建は不詳ですが伝承によると天長11年(834)に勧請されたのが始まりとされます。
元は鳥海山を信仰する拠点の1つとして鳥海山二之王子熊野権現と称し、鎌倉時代には修験僧の宿坊として栄え、麓にある鳥海山大物忌神社(蕨岡口之宮)が一之宿と呼ばれるのに対して二之宿とも呼ばれていました。
毎年8月の例祭で奉納される「杉沢比山」は鳥海山の修験僧によって伝えられたもので、洗練されながら鮮やかな振りは芸術的な価値が非常に高いものと評価され、昭和53年(1978)に国重要無形民俗文化財に指定されています。現在では集落の人達が受け継ぎ、8月6日に「仕組」、15日に「本舞」、20日に「神送」と3度神社に奉納神楽を収めます。
杉沢熊野神社社殿は出羽三山神社三神合祭殿に類似した拝殿と本殿が一体化した権現造りで、入母屋、銅板葺き、平入、正面に大きな千鳥破風、桁行3間、正面3間軒唐破風向拝付、向拝の細部には龍や獅子、鶴などの縁起物の細かな彫刻が施され、特に力士像は秋田県や山形県北部で見られる社殿建築の特徴と捉えています。祭神:伊佐那伎命、伊佐那美命。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-杉沢比山保存会・遊佐町教育委員会
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