米沢織物歴史資料館概要: 米沢織物歴史資料館は山形県米沢市門東町1丁目に位置する近代建築です。この建物は大正11年(1922)に旧米沢織物組合本館として建てられた近代建築です。コンクリート2階建て、寄棟、全体的にシンプルながら玄関の周りに意匠が集中しています。
玄関の周りは外壁面より僅かに前に張り出し、両脇には飾り柱を配し、上部は曲線の屋根と棟飾りのようなものが設え、タイルで構成されているレリーフやガラスのステンドグラスなども見られます。
現在は米沢織物歴史資料館として整備され、江戸時代から続いた米沢藩の主産業のひとつとして受け継がれた米沢織の展示をしています。
米沢織物: 米沢藩(藩庁・米沢城)9代藩主上杉鷹山が藩主を就任した当時、上杉家は120万石の大大名から15万石に大きく石高が減らされている中、抱える家臣の数が殆ど減らしていなかった事から藩の財政は常に逼迫し幕府に領地を返上し廃藩直前にまで至りました。
鷹山は緊縮財政を行う一方で藩内の殖産業の開発に力を入れ、その内の1つが麻織物や絹織物でした。
元々米沢藩では青苧の生産が盛んだった事から安永5年(1776)に越後縮(小千谷縮)の職人を米沢に召還するのに成功し、藩直営の「縮役場」を設けると下級武士の婦子女に習得させる事で武家も生産者として一翼を担うようになり、藩の財政を助けると共に武家の糧にもなり大きな支えとなりました。
さらに、桑の栽培と養蚕を奨励し、より高値で取引される絹織物の生産にも力を入れ米琉紬、長井紬、白鷹紬と呼ばれ全国的にも知名度が高まりました。
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