珍蔵寺(南陽市)概要: 鶴布山珍蔵寺は山形県南陽市漆山に境内を構えている曹洞宗の寺院です。 珍蔵寺は伊達氏や上杉氏なども珍蔵寺を訪れたという名刹で、創建は寛正元年(1460)に極堂宗三和尚(輪王寺2世)が開山したと伝えられています。開山縁起では寺名にもなった珍蔵は「鶴の恩返し」で鶴を助けた本人の名で、約束を破り中を覗き、若い女性に姿を変えた鶴の正体を見てしまった事を悔やみ出家してこの寺を開山したとも云われています。珍蔵寺の境内の周囲には鶴巻田、織機川、羽付など地名が周囲に残っていて数百年間も語り継がれた「鶴の恩返し」の民話の里として現在に生き続けています。
現在の珍蔵寺本堂は文化4年(1807)に再建された古建築物で寄棟、銅板葺、平入、外壁は真壁造り、白漆喰仕上げ、山門は切妻、銅瓦棒葺、一間一戸、四脚門、木鼻には獅子、桁には波の彫刻が施されています。庭園は上杉家の御抱え庭師が作庭したもので名園とされ当時の雰囲気が残されています。
境内にある「仏足石・仏足石歌碑」は案内板によると「明治28年:西暦1895年に、珍蔵寺15世住職の碩峯和尚が奈良に行った際、薬師寺の仏足石と仏足石歌碑の石刷りを。同寺管長からもらいうけた。これらを寺に長く伝えようと、明治34年:西暦1901年に建立されたものである。日本における仏足石の信仰と文化を示す資料として貴重である。 南陽市教育委員会 」とあります。「仏足石・仏足石歌碑」は昭和48年(1968)に南陽市指定文化財に指定されています。
境内の高台には置賜三十三観音霊場第十八番札所である新山観音堂が建立されています。山号:鶴布山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-南陽市教育委員会
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