向川寺(大石田町)概要: 黒瀧山向川寺は山形県北村山郡大石田町大字横山に境内を構えている曹洞宗の寺院です。 向川寺の創建は永和3年(1377)に大徹宗令禅師が開山したとされます。大徹宗令禅師は曹洞宗の大本山総持寺(現在の総持寺祖院:石川県輪島市)2世峨山禅師の五哲に数えられた名僧で直弟子である日山良旭(向川寺2世)を伴って東北各地で曹洞宗を布教し多くの寺院を開山しています。向川寺は大本山総持寺の直末寺で東北の中では中本山にあたる為、山形県内だけでなく秋田県や宮城県にその勢力が及んだとされ、往時は末寺は28ヵ寺、孫寺は百ヵ寺以上を擁し、全盛時には天台宗の山寺立石寺と肩を並べたとも言われ、山内に様々な堂宇が建ち並び壮大な伽藍だったと伝えられています。応永八年(1401)や寛永14年(1637)、文化4年(1807)に大きな火災が起こり、多くの建物や寺宝、書物、資料などが焼失し徐々に衰退、現在残されている苔生した参道や、周辺に残る数多く石仏や石碑が往時の名残とされます(現在200基前後が確認されています)。
向川寺参道に残る大カツラは大徹宗令禅師が自ら手植えしたと伝わるもので、推定樹齢600年、樹高約35m、根回り8.5m、幹周7.08m、昭和35年(1960)に山形県指定天然記念物に指定されています。
大イチョウも大カツラと同様に大徹宗令禅師が自ら手植えしたと伝わるもので、推定樹齢600年、樹高約35m、幹周5.7m、昭和39年(1964)に大石田町指定天然記念物に指定されています。
又、元禄2年(1689)5月29日には松尾芭蕉、曽良一行も奥の細道の行脚で大石田を訪れた折、向川寺(黒瀧)に参詣した事が「発・一巡終テ、翁両人誘テ黒瀧ヘ被参詣」と曽良随行日記に書かれています。
尾花沢・大石田三十三観音霊場第1番札所(札所本尊:如意輪観世音菩薩・御詠歌:ふだらくや きしうつなみは みくまのの なちのおやまに ひびくたきつせ)。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦牟尼仏。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-大石田町教育委員会
・ 現地案内板-山形県教育委員会・大石田町教育委員会
・ 現地案内板-大石田ライオンズクラブ
|
|