関所(楢下宿)概要: 楢下宿は上山藩(山形県上山市:藩庁−上山城)と仙台藩(宮城県仙台市:藩庁−仙台城)の藩境(実際の藩境は金山峠で、反対側に仙台藩の番所が設けられた)に接する羽州街道の宿場町だった為、当地には上山藩の関所(番所)が設けられ人物改めや荷物の確認など厳しく管理されました。楢下宿が開設当初は中心部である下町に関所があったようですが、宝暦7年(1757)に洪水にあい大きな被害を受けると、現在の楢下郵便局付近である新町に設置されました。羽州街道には出羽諸藩である13藩(弘前藩、黒石藩、久保田藩、亀田藩、本荘藩、矢島藩、庄内松山藩、新庄藩、庄内藩、長瀞藩、天童藩、山形藩、上山藩)が参勤交代で利用した為、出入りも多く特に楢下宿は峠を控えていた事もあり、楢下宿で宿泊する大名も多く管理が厳重になったと思われます。明治維新後に街道制度が撤廃され明治4年(1871)に廃藩置県が執行されると、そもそもの藩自体が無くなり番所や関所は無用の長物となりました。現在は遺構もなく標柱があるだけです。
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