御所神社(尾花沢市)概要: 御所神社は山形県尾花沢市大字正厳に鎮座している神社です。御所神社の創建は社伝によると寛元4年(1246)に阿部頼時が順徳上皇の死を悼んで社殿を造営したのが始まりとされています。伝承によると承久の乱に加担した順徳上皇は佐渡島に流されましたが、家臣である阿部頼時と共に図り佐渡を脱出して当地まで逃れ御所山の麓に御所を設け隠遁したそうです。
順徳上皇が崩御すると御所山に塚(天子塚)を設け、御所の跡地(現在地)には順徳上皇の御霊を祀る神社が阿部頼時により創建され、代々後裔が神官として祭祀を司ったと伝えられています。これらの背景には順徳上皇が佐渡に流された後、密かに脱出し越後経由でここまでたどり着き数年後にお亡くなりになったという伝説が現在でも行き続けているからかもしれません。
御所山といった山名や順徳天皇陵と云い伝わる天子塚などがあり伝説の深さを物語り、御所神社と同じ社号を称する神社が11社ある他、伝説と関わりがあると思われる御所の宮杉・六沢の御所の宮清水・家屋敷平の常次郎家敷跡・常次郎清水・先達跳・鍋○石・尼二人・新乳沢巌窟・姫子山・小姓天・塔の場・小御所・御所の宮田といった地名が残り信仰の広がりを見せています。
中世以降、神官家は修験僧となり別当寺院である丹生山普明院神宮寺を創建、以後、神仏習合し修験僧の拠点の1つとして発展しました。明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され社号を御所神社に改め明治6年(1873)に郷社に列しました。丹生川、赤井川流域の24ケ村の総鎮守となり多くの人々の信仰の対象となりました。祭神:順徳天皇。
|