旧鈴木家住宅(尾花沢市)概要: 旧鈴木家住宅は江戸時代末期に建てられた旧丸屋・鈴木弥兵衛の町屋形式の宅邸です。木造2階建て、切妻、平入り、金属板葺きの建物で、土蔵造りとも塗り屋造りと言えない独特な形式をしています。
側面は板張りな所を見ると特に防火面を考慮しているように見えず、白漆喰で仕上げる事で豪商としてのステータスのように感じます。正面入口付近は雪国の町屋建築に見られる「雁木」のような空間があり内部の奥まで通り庭が続いています。
現在は旧清風宅の隣に「芭蕉・清風歴史資料館」として移築保存され、内部が展示室になっています。松尾芭蕉が尾花沢を訪れたのは元禄2年(1689)5月17日(陽暦7月3日)から5月27日(陽暦7月13日)と10間に及び、「奥の細道」行脚では極めて違例の長期滞在となりました。
大きな目的の1つは当地の豪商で俳人としても知られた鈴木清風宅を尋ねる事で「彼は富めるものなれども、志いやしからず。都にも折々かよひて、さすがに旅の情を知りたれば、日比とどめて長途のいたはりさまざまにもてなし待る」と評しています。
芭蕉と曾良は清風宅と養泉寺を拠点として山寺まで足を伸ばし多くの句を残しています。
芭蕉、清風歴史資料館(鈴木弥兵衛家住宅)は貴重な事から日本遺産「山寺が支えた紅花文化」の構成文化財に選定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-芭蕉・清風歴史資料館
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