薬師寺(銀山温泉)概要: 宝沢山薬師寺は山形県尾花沢市上柳渡戸に境内を構えている曹洞宗の寺院です。薬師寺の創建は大治5年(1130)に開いたのが始まりとされ、後に開発された延沢銀山(国指定史跡)との関係が深かったとされます。
当初は天台宗で薬師堂と称していましたが、文禄2年(1593)暗室関牛大和尚(円照寺5世)によって曹洞宗の寺院として改宗開山し寺号を薬師寺に改めています。
本尊の薬師如来立像は鎌倉時代中期のに彫り込まれた木彫一本木造で昭和44年(1969)に尾花沢指定有形文化財に指定されています。又、境内には元々銀山温泉付近にあった最上三十三観音霊場第二十四番札所だった上ノ畑観音堂が移されています。
上ノ畑観音堂の創建は不詳ですが集落の有力者である高橋信濃が軽井沢越の道中安全の守護神として観音像を安置したのが始まりとされ、当初は峠近くの山中に安置され銀山温泉の温泉街にあった東源寺が祭祀を司っていました。
安政年間(1854〜1860)、延沢銀山が衰退すると東源寺も無住になり薬師寺の勇岳が再興、その後火災により御堂が焼失しましたが安政4年(1857)に高橋信濃の後裔にあたる高橋善左衛門が再建しています。正面の山門は三間一戸、入母屋、金属板葺き八脚楼門形式の建物で威容を誇っています。
最上三十三観音霊場第24番札所(札所本尊:聖観世音菩薩、伝:慈覚大師作・御詠歌:たなはしの かみのはたより ながむれば あきのたおもて ぼさつなりけり)。
尾花沢大石田三十三観音霊場第33番札所(札所本尊:千手観世音菩薩・御詠歌:よろづよの ねがいをここに おさめおく みづはこけより いづるたにぐみ)。山号:宝沢山。宗派:曹洞宗。本尊:薬師如来。
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