念通寺(尾花沢市)概要: 花邑山念通寺は山形県尾花沢市上町5丁目に境内を構えている真宗大谷派の寺院です。念通寺の創建は寛永7年(1630)に花邑浄願坊よって開山されたと伝えられています。
現在の念通寺本堂は元禄10年(1697)に豪商であった三代目鈴木清風の財で五代住持知周が建立したもので、木造平屋建て、入母屋、銅板葺、平入、桁行9間、梁間8間、正面3間向拝付、向拝木鼻には象の彫刻が施されています。山門は元禄12年(1699)に鈴木家一族から寄進されたもので切妻、銅板葺、三間一戸、鐘楼も同年に寄進されたもので入母屋、鉄板葺。
鈴木家は平泉(現在の岩手県平泉町)の高館で自害した源義経の家臣鈴木三郎重家が祖であると伝わり、江戸時代には本家筋の島田屋が銀山に携わった事で大いに繁栄していました。
清風は江戸や大坂、京都など広く全国で商売を展開し、俳諧などを通し松尾芭蕉とも交流があり、経済人と共に文化人としての側面も持ち合わせ、晩年は紅花の集散に係わり「紅花大尽」とまで言われるほどの豪商に成長した人物です。
清風は享保6年(1721)に死去すると辞世の句「本来の磁石を知るや春の雁」を遺すと念通寺境内に葬られています。念通寺の境内には鈴木清風や幕末の公卿入江為積の墓などがあります。山号:花邑山。宗派:真宗大谷派。本尊:阿弥陀如来。
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