龍護寺(尾花沢市)概要: 祥雲山龍護寺は山形県尾花沢市大字延沢竜護寺に境内を構えている曹洞宗の寺院です。龍護寺の創建は宝徳元年(1449)、大意了的大和尚によって開かれたのが始まりとされます。
その後、衰微しましたが天正年間(1573〜1592年)に当時の延沢城城主野辺沢満延(最上家家臣、2万7千石)が開基となり香積寺(新潟県柏崎市)7世大通経文大和尚を召還し中興開山、堂宇を建立し代々の菩提所としました。
又、最上三十三観音霊場第22番札所となっている観音堂の創建は寛文年間(1661〜1672年)に1人の修業僧(土屋又三郎)が瓦屋寺(滋賀県東近江市建部瓦屋寺町)に宿泊した際、枕元に観音様が立ち、祥雲山の麓に観音像を祀る事を示唆され、龍護寺境内に御堂を建立し聖観世音(慈覚大師の作伝)を安置する事になったと伝えられています。
境内には2代延沢城の城主延沢沢満延(戒名:龍護寺殿雲沢宗空大居士)と3代延沢城の城主延沢光昌(戒名:鱗光寺殿爼岩白龍大居士)、満延の長女光心尼(戒名:実相院月窓光心大姉)の墓などがあります。
龍護寺の山門は寛文7年(1667)に延沢城が廃城になった際、三の丸にあった大手門を移築したもので切妻、鉄板葺(元茅葺)、三間一戸、四脚門(変形)、室町時代末期から江戸時代初期の城門で数少ない延沢城の遺構として貴重な事から昭和37年(1962)に尾花沢市指定有形文化財に指定されています。
龍護寺のコウヤマキは樹高19.4m、幹周3.8m、貴重な事から平成10年(1998)に尾花沢市指定天然記念物に指定されています。龍護寺本堂は木造平屋建て、寄棟、銅板葺き、平入、正面1間向拝付き、外壁は真壁造り白漆喰仕上げ、腰壁は板張り、内部の内陣には本尊となる釈迦牟尼仏が安置されています。
最上三十三観音霊場第22番札所(札所本尊:聖観世音菩、伝:慈覚大師作・御詠歌:いのれただ ひとのよわひを のべさわの ほとけのちかひ ありがたきかな)。
尾花沢大石田三十三観音霊場第30番札所(札所本尊:千手千眼観世音菩薩・御詠歌:つきもひも なみまにうかぶ ちくぶしま ふねにたからを つむこころして)。
山形百八地蔵尊霊場第90番札所(札所本尊:子育延命地蔵・御詠歌:ありがたや おさなそだての じぞうそん よわいをながく のべさわのてら)。山号:祥雲山。寺号:龍護寺。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦牟尼仏。
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