春日神社(鶴岡市)概要: 春日神社は山形県鶴岡市黒川字宮の下に鎮座している神社です。春日神社の創建は大同2年(806)に勧請されたのが始まりとされます。当初は新山明神と称していましたが享保年間(1716〜1735年)には四所明神、寛政年間(1789〜1800年)には春日四所明神と称していました。
歴代の領主からの崇敬が厚く、中世では庄内一帯を支配した武藤氏が庇護し社領の寄進や社殿の造営などが行われました。天正15年(1587)、武藤氏の後裔である大宝寺氏が山形城の城主最上義光に事実上滅ぼされると、その後は最上家が庇護し慶長17年(1612)には社領56石が安堵しています。
元和8年(1622)に最上家が御家騒動により改易になり、酒井忠勝が庄内藩に入封すると春日神社を当地の産土神に指定し、引き続き社領が安堵し、元禄3年(1690)に春日神社に伝わる黒川能を鶴ヶ岡城で庄内藩4代藩主酒井忠真が上覧以降は藩楽として保護しました。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により仏式が廃され社号を「春日神社」に改めて県社に列しました。
黒川能は古式の能楽の形式を保ち少なくとも500年以上の昔から続けられているものとして昭和51年(1976)に国重要無形民俗文化財に指定されています。
拝殿は入母屋、銅板葺、平入、正面千鳥破風、正面3間向拝付、本殿は一間社流造、銅板葺。境内には明治以前春日神社の別当だった法光院(庄内三十三観音札所七番)があり神仏習合の名残が見られます。
例大祭:11月23日。祭神:建御賀豆智命、天津児屋根命、伊波比主命、比売命。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板(由緒)-春日神社
|
|