五大堂(山寺立石寺)概要: 五大堂は山寺立石寺山内の中で随一の眺望を望める景勝の地で 山寺立石寺を開山した慈覚大師の尊像を安置する開山堂や書写した法華経を奉納した納経堂の奥に位置します。建物は正徳4年(1714)に再建され嘉永5年(1852)に改修されたもので(五大堂の創建年は立石寺開山30年後とも云われています。)木造平屋建、切妻、銅板葺、妻入、桁行4間、梁間2間、外壁は3方が吹き放しで下界を眺望出来き、落下を防ぐ為に外周には高欄を廻しています。又、山内の岩場にある釈迦堂、胎内堂と同様に懸造(舞台造・崖造)となっています。 懸造とは崖や水辺など一般的な建物が建てられないよう場所に、土地の形状に沿って長い柱を建て、それを貫で固定して床面を造り、その床に建物を建てる建築工法で清水寺(京都府京都市東山区清水:国宝)や石山寺(滋賀県大津市石山寺:国宝)が有名です。神社や寺院などの建物は、ある種の宗教観を現す事もあり、特に古代の自然崇拝から発生した信仰は通常ありえない場所に聖域を求め神聖視する傾向があり、そこに神や仏を体現する為に懸造が採用されたと思われます。五大堂の本尊は立石寺を護持する五大明王(大聖不動明王、東降三世明王、南軍荼利明王、大威徳明王、烏枢沙摩明王)が祀られています。
|