根本中堂(山寺立石寺)概要: 山寺立石寺の中心的な堂宇(本堂)である根本中堂の創建は平安時代とされ現在の建物は当時の領主だった斯波兼頼が正平12年(1357)に再建したものと伝えられています。桁行5間(16.97m)、梁間5間(16.97m)、入母屋、銅板葺き(元こけら葺)、平入、正面1間向拝付、内部は正面2間分が外陣、奥3間分が内陣で、内陣には須弥壇が設けられ慈覚大師が自ら彫り込んだとされる薬師如来坐像や文殊菩薩、毘沙門天などの古像が安置されています。
華美な装飾な少なく向拝欄間部に施された虎の彫刻など限定的で素地で無骨な構造が逆に印象を与えてくれます。
又、主要な構造材はブナ材が採用され、ブナ材建築としては日本最古とされます。慶長年間(1596〜1615年)と昭和38年(1962)に大改修を行っていますが古くからの天台宗建築の形式を伝えている事から明治41年(1908)に国指定重要文化財に指定されています。内部には、慈覚大師が中国から比叡山延暦寺(滋賀県大津市)に持ち帰った法燈(戦国時代、天童氏によって焼き討ちにあい一時失われますが、再び延暦寺から分け与えられています。
逆に元亀2年:1571年の織田信長による比叡山延暦寺焼き討ち後に山寺立石寺から法燈が延暦寺に分け与えています。)が脈々と伝えられています。
又、根本中堂の境内には橋殿と呼ばれる格式の高い石橋があり案内板によると「古来、天皇、宮人のみ渡る石橋と伝えられている。石橋の裏側に梵字(インド)の古代仏字が刻み込まれている。石地蔵尊の頭をなでると長命できるとか・・・」とあります。
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