金峯神社(鶴岡市)概要: 金峯神社は山形県鶴岡市大字青龍寺字金峯に鎮座している神社です。金峯神社の創建は天智10年(672)に役小角(役行者)が開基、大同年間(806〜810年)には山頂に社殿が整備されたと伝えられています。
貞観2年(860)には慈覚大師円仁が麓に別当寺院となる青龍寺を開山し金峯山は神仏習合の霊山として信仰される事になりました。
さらに、承暦年間(1077〜1080年)に丹波守盛宗が出羽国下向の際に大和国金峯蔵王権現(奈良県吉野郡吉野町にある金峰山修験本宗(修験道)の本山)の分霊を勧請し、当地方の修験道の拠点となりました。金峯山は古来から人々の信仰の対象で山岳信仰の修験道場と長い間神仏混合となり、随身門(旧仁王門)や中宮の建物が仏式を継承しているのにも表れています。
平安末期の平泉(岩手県平泉町)の藤原氏を初め、歴代領主から崇敬され、社殿の改修や再建、様々な奉納物の寄進などを受け、近世に入ると庄内藩の藩主酒井氏の祈願所とされました。
明治時代初頭に発令された神仏分離令により形式上は仏教色が一掃され明治3年(1870)に社号を「御嶽神社」に改称、明治9年(1876)に県社に列し、明治10年(1877)に現在の社号である「金峯神社」に改めています。
現在の金峯神社の本殿は久安6年(1150)に藤原秀衡が再建し、慶長13年(1608)に山形藩の藩主最上義光が大改修(事実上の再建)、元文元年(1736)と明和5年(1768)に酒井家によって改修されたもので、
木造平屋建て、入母屋、銅板葺、一重もこし付(正面軒唐破風付)、正面1間、背面3間、奥行2間、江戸時代初期に建てられた修験道系神社本殿の遺構として貴重な事から平成13年(2001)に国指定重要文化財に指定されています。
金峯神社中の宮は元々仏教色が強い如意輪観音堂として建てられたもので、木造平屋建て、寄棟、銅板葺、平入、桁行5間、正面3間軒唐破風向拝付、外壁は真壁造り板張り、向拝には精緻な彫刻が施されています。
金峯神社随身門は元々仏教色が強い仁王門として建てられたもので、切妻、銅板葺、三間一戸、外壁は真壁造り板張り、木部朱塗り、八脚単層門。
又、禁酒の祈祷は有名で「断酒のかめ」を多くの人が参拝しています。社宝には洗米鉢があり国指定重要文化財となっています。祭神:事代主神、少彦名神、大国主神、安閑天皇。
|