龍門寺(山形市)概要: 龍門寺は山形県山形市北山形2丁目に境内を構えている曹洞宗の寺院です。龍門寺の創建は文明2年(1470)、最上家6代当主で羽州探題を担ったとされる最上義秋が兄である最上義春(5代当主)の菩提を弔う為に開いたとされます(義春の没年は文明6年:1474年説もある為、矛盾があります)。
寺号は義春の戒名「龍門寺殿天直源公大居士」に因み龍門寺と号しました。
元亀元年(1570)、前当主最上義守と息子で11代当主最上義光が対立、元亀2年(1571)義守は出家し「栄林」と号し一線を退きましたが天正2年(1574)に再び対立が激化した事で伊達家や周辺国人領主を巻き込む争乱となり、和議の条件として義守の龍門寺の隠遁が決定されました。
義守は天正18年(1590)死去、享年70歳、戒名「龍門寺殿羽典栄林義公大居士」、菩提は龍門寺に葬られています。
当初は山形城の城内にありましたが義光により慶長年間(1596〜1615年)に現在地に移され寺領180石を安堵され、江戸時代に入ると幕府が庇護し3代将軍徳川家光から朱印状を賜っています。
境内には義春、義守の墓碑の他、五百羅漢像を安置した羅漢堂(宝形造、銅板葺、1間軒唐破風向拝付、外壁は土蔵造白漆喰仕上げ、向拝には力士像や龍、獅子、仙人など精緻な彫刻が施されています)、山門、鐘楼、回廊、本堂などが建立され、寺宝である袈裟(伝:峩山禅師着用)は山形県指定有形文化財に指定されています。
山形三十三観音霊場第32番。最上西国三十三観音霊場第13番。宗派:曹洞宗。
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