戸沢正誠:概要

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概要・歴史・観光・見所
戸沢正誠(桂嶽寺)

【 概 要 】−戸沢正誠は寛永17年(1640)、新庄藩(山形県新庄市)初代藩主戸沢政盛と於佐古(久照院:楢岡光信の娘)との子供として生まれました。慶安元年(1648)に政盛が死去すると正誠はまだ幕府から嗣子として認められておらず、年齢も8歳と若年だった事からこの時点での末期養子は認められず、慶安3年(1650)になってから家督を相続し新庄藩2代藩主に就任しています。当初は藩主として未熟だった事から家老達の専制を許し、その派閥争いから片岡騒動が発生しましたが、結果的に家老の勢力を退け正誠が名実ともに新庄藩を掌握するに至りました。正誠は寛文4年(1664)に居城である新庄城の修復を行い、寛文8年(1668)に新庄城の鎮守社である天満宮の社殿(山形県指定文化財)を再建しています。

寛文年間(1661〜1673年)頃から源内江戸銀座弥左衛門と八右衛門が永松鉱山(最上郡大蔵村肘折)の採鉱を行い、延宝5年(1677)に大鉱脈を発見、新庄藩から許可を得て本格的な採掘が行われ、銅山役人として川田五郎太夫が赴任しています。永松鉱山の最盛期は日本三大銅山として名を馳せ新庄藩の財政に大きく寄与しています。

戸沢正誠は社寺の保護も積極的に行い、慶安元年(1648)には政盛の菩提を弔う為に瑞雲院を創建(正誠以外の藩主は境内にある戸沢家墓所に葬られています)、さらに承応元年(1652)には祈願所である葉山大円院(山形県村山市)の本堂の再建などの大規模な改修工事を行い、寛文10年(1671)には本殿、延宝元年(1673)には奥之院の造営が行われています。寛文11年(1671)には庭月観音(山形県鮭川村)を現在地に遷座し再興し本尊となる聖観世音菩薩立像(鮭川村指定文化財)を寄進、延宝4年(1676)に観音堂が落成すると円満寺の住職尊純法印を召還して落慶法要が営まれています。貞享3年(1686)に子供である政武(正武)が死去した事で菩提を弔う為に万年寺を現在地に遷し寺号を桂嶽寺(国指定史跡)に改め、政武(正武)と自分の菩提寺としています。元禄4年(1691)には鳥越八幡神社の拝殿(山形県指定文化財)を造営しています。

正誠には数多くの伝説が残されており、「頭なし」と呼ばれていた集落を訪れた正誠は「頭」は自分の事であると言い張ると「大谷地」に地名を改めたと伝えられています。白髭沼(山形県鮭川村)に龍神が住むと聞きつけた正誠は家臣に命じて沼の水を抜かせると龍神の怒りを買い、必死に逃げたものの愛馬が食いちぎられたと伝えられています。肘折村(最上郡大蔵村肘折)の小松渕に大蛇が巣くい村人に悪事を働いた事から家臣である小山八蔵に命じて退治させたと伝えられています。宝永7年(1710)隠居、享保7年(1722)死去、享年83歳、戒名:大輝院鳳山徳。

桂嶽寺:写真
戸沢正誠と縁がある桂嶽寺 戸沢正誠と縁がある桂嶽寺 戸沢正誠と縁がある桂嶽寺 戸沢正誠と縁がある桂嶽寺
新庄城:写真
戸沢正誠と縁がある新庄城 戸沢正誠と縁がある新庄城 戸沢正誠と縁がある新庄城 戸沢正誠と縁がある新庄城
天満宮:写真
戸沢正誠と縁がある天満神社 戸沢正誠と縁がある天満神社 戸沢正誠と縁がある天満神社 戸沢正誠と縁がある天満神社
瑞雲院:写真
戸沢正誠と縁がある瑞雲院 戸沢正誠と縁がある瑞雲院 戸沢正誠と縁がある瑞雲院 戸沢正誠と縁がある瑞雲院
戸沢家墓所:写真
戸沢正誠と縁がある新庄藩主戸沢家墓所 戸沢正誠と縁がある新庄藩主戸沢家墓所 戸沢正誠と縁がある新庄藩主戸沢家墓所:4号棟 戸沢正誠と縁がある新庄藩主戸沢家墓所:6号棟
葉山大円院:写真
戸沢正誠と縁がある葉山大円院 戸沢正誠と縁がある葉山大円院 戸沢正誠と縁がある葉山大円院 戸沢正誠と縁がある葉山大円院
庭月観音(月蔵院):写真
戸沢正誠と縁がある庭月観音 戸沢正誠と縁がある庭月観音 戸沢正誠と縁がある庭月観音 戸沢正誠と縁がある庭月観音
白髭沼:写真
戸沢正誠と縁がある白髭神社 戸沢正誠と縁がある白髭神社 戸沢正誠と縁がある白髭神社 戸沢正誠と縁がある白髭神社
円満寺:写真
戸沢正誠と縁がある円満寺(歓喜天) 戸沢正誠と縁がある円満寺(歓喜天) 戸沢正誠と縁がある円満寺(歓喜天) 戸沢正誠と縁がある円満寺(歓喜天)
鳥越八幡神社:写真
戸沢正誠と縁がある鳥越八幡神社 戸沢正誠と縁がある鳥越八幡神社 戸沢正誠と縁がある鳥越八幡神社 戸沢正誠と縁がある鳥越八幡神社



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