昌伝庵(米沢市)概要: 奕葉山昌伝庵は山形県米沢市本町3丁目に境内を構えている曹洞宗の寺院です。昌伝庵の創建は建武2年(1335)に三浦若狭守直盛が祖父三浦盛員と、父親三浦高盛の菩提寺を弔う為、会津(福島県会津若松市)に開基したとされ、寺号は盛員の戒名「正伝庵耕福月浦道圓」に因み正伝庵と称しました。
永正2年(1505)に伊達尚宗(伊達家13代当主)が3男である伊達久松丸の菩提を弔う為に大芸寺5世喜山高悦を召還して中興開山し、永正5年(1508)に会津城の城下から米沢城の城下に境内を移し、寺号を久松丸の戒名「奕葉院殿昌伝久大禅定門」に因み奕葉山昌伝庵に改称しています。
以来、伊達家から庇護され寺領を27石安堵され、天文8年(1539)に伊達稙宗(伊達家14世当主)の4男玄蕃丸を弔うと57石へと加増されます。天正19年(1591)豊臣秀吉の奥州仕置きにより伊達政宗が岩出山城(宮城県大崎市)に移封され、江戸時代に仙台城(宮城県仙台市)へ移りますが昌伝庵もいずれも随行し松音寺、泰心院、輪王寺とともに仙台藩四カ寺と称されました。一方当地でも法灯を守り現在に至っています。
昌伝庵の寺宝である木造大日如来座像(会津の正伝庵時代の本尊とされ、当時は真言宗の寺院だったと推測されています。)は延文5年(1360)に仏師、兵部法眼円慶、式部法橋宗祐によって彫刻されたもので像高78.5cm、割矧造り、玉眼、漆箔、製作年代、願主名、仏師などが明確で意匠にも優れている事から平成8年(1996)に山形県指定文化財に指定されています。山号:奕葉山。宗派:曹洞宗。本尊:阿弥陀如来。
|