舘山寺(米沢市)概要: 籏本山舘山寺は山形県米沢市舘山5丁目に境内を構えている曹洞宗の寺院です。舘山寺の創建は天文2年(1533)、新田景綱(奥州藤原氏一族の後裔)が開基となり月窓証印禅師(稲荷山瑞竜院:白鷹町)を召還して開山したのが始まりとされます。
寺号は景綱の戒名「舘山寺殿虎山威公大居士」に因むもので、新田家の菩提寺として庇護されたと思われます。
景綱は当時の舘山城主で、伊達稙宗・晴宗・輝宗の三代に仕え、跡を継いだ新田義綱は天正19年(1591)、伊達政宗の岩出山(宮城県大崎市)移封に随行して当地を離れ、柳沢城(宮城県加美郡加美町)の城主に就任しています(館山城は伊達輝宗の隠居城として築城されたとも、伊達家が居城としていたのは米沢城ではなく館山城だったとも云われています)。
舘山寺は庇護者を失い衰微し、度重なる自然災害で境内も荒廃しましたが享保6年(1721)篠田甚左衛門宣君(戒名:見龍院殿級?越)が再興し、本堂を造営しています。
舘山寺の本堂に設置されている厨子に安置されている虚空藏菩薩(1寸3分、黄金仏)は館山城に安置されていた秘仏で藤原経衡(藤原清衡の曽孫)が寄進したものとされます。前座仏である虚空藏菩薩(1尺3寸、黄金仏)は伊達政宗(17代伊達家当主)が中国霊山から勧請したもので両尊ともに智能財宝に御利益があると古来より信仰の対象となっています。
又、境内には米沢藩の藩医で蘭語の医学書を翻訳して日本初の小児科医学書とした堀内素堂の墓が建立され、本堂には文政年間(1818〜1830年)に香坂松洲が描いた十六羅漢と達磨大師の板画が掲げられています。山号:籏本山。宗派:曹洞宗。本尊:釈迦如来、虚空蔵菩薩。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-米沢市・社団法人米沢観光協会
・ 由来碑-籏本山舘山寺
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