尾形家住宅(上山市)概要: 尾形家は中世豪族だった家柄で江戸時代に入り帰農した後も代々肝いりを歴任するなど当地で大きな影響力を保持しました。尾形家住宅は小屋組みや釘が使われていないなどの工法や伝承などから17世紀に建てられたと推定される上層農家住宅です。建物は、主屋部が木造平屋建、桁行13間(26.4m)、梁間5間(9.6m)、中門造り、寄棟、茅葺で、南側の突出部は切妻、茅葺、桁行5.8m、梁間6.0m、北側の突出部は寄棟、茅葺、桁行4.6m、梁間6.4m、建築床面積323u。内部は身分が高い人物が利用したと思われる式台付の玄関(家人は通用玄関を使用し身分によって使い分けられた)をはじめ「しもざしき」、「なかざしき」、「かみざしき(後世の増築)」など4室も座敷があるなど格式が高い平面構成になっていて、上山藩役人等身分の高い人が通されたと思われます。
土間は間口8間、奥行5間の広さで住居の約6割を占める程広大なもので尾形家住宅の大きな特徴の1つ(当時の農民は板の間さえ許されず土間の上に茣蓙を敷き居間として生活していたようです)、さらに土間上部には天井がなく、小屋組みは縄類で縛られているなど旧状をよく残しています。尾形家住宅は江戸時代中期に建てられた大型上層農家建築の遺構として大変貴重な事から昭和44年(1969)に国指定重要文化財に指定されています。
【 参考:文献等 】
・ 現地案内板-上山市教育委員会
|
|