上山温泉下大湯共同浴場概要: 下大湯の開湯は寛永元年(1624)に当時の上山藩主松平氏が湯町にあった「下ノ湯」を現在地に移し、一般民衆に開放した事が始まりとされます。当時の上山温泉では最初の共同温泉だったので古くから住民達から利用されていました。
江戸時代には上山城(月岡城)の城下町に羽州街道(奥州街道の脇街道、出羽13藩の大名が参勤交代で利用)が通り、下大湯のある坂の上には最上三十三観音霊場第10番札所の水岸山観音寺が控えていた事から、湯治場は元より往来の人々や観音寺の参拝者にも利用されおおいに賑ったとされます。
又、上山藩に配流された沢庵和尚も配所が下大湯の近くにあった為、この湯を使ったとされ書簡にもこのことが記述されています。元禄年間(1688〜1704年)と文政年間(1818〜1830年)に火災により焼失しましたがその都度再建され、現在の建物は昭和32年(1957)に大改修され昔の面影が一新されました。
その為、建物自体には歴史を感じませんが、江戸時代初期に民衆に開放されてからの歴史は古く、現在もなお共同浴場として多くの人達に利用されているのは価値があることだと思います。上山温泉は東山温泉(福島県会津若松市)と湯野浜温泉(山形県鶴岡市)と共に奥羽三楽郷の1つとして数えられています。
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