湯田川温泉(歴史)概要: 湯田川温泉の開湯は奈良時代の和銅5年(712)温泉で傷を癒していた一羽の白鷺を見つけたことから始まりと伝わっています。和銅5年(712)は出羽国建国の年であり、湯田川温泉の鎮守である由豆佐売神社(延喜式神名帳に記載された式内社で出羽国(主に秋田県と山形県)9座のうちの1座)の創建は白雉元年(650)に勧請されたことからも歴史を感じさせます(温海温泉の守護神である温泉神社も由豆佐売神が勧請されています)。
古くから温海温泉(山形県鶴岡市湯温海)、湯野浜温泉(山形県鶴岡市湯野浜)と共に庄内三名湯のひとつに数えられました。
特に江戸時代に入ると庄内藩の本城である鶴岡城の城下町の奥座敷として藩主の湯治場が整備されるなど発展しました。
又、鶴岡城の城下町と村上城(新潟県村上市)の城下町を繋ぐ出羽街道の宿場町でもあり、街道沿いにある温泉場としても多くの旅人にも利用されました。
明治時代以降は種田山頭火や藤沢周平、竹久夢二、柳田国男などの文人墨客などにも愛され、特に藤沢周平は鶴岡市の出身だったこともあり、湯田川温泉を定宿とし多くの作品が生まれました。
湯田川温泉の泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩温泉で特に切り傷、やけど、慢性皮膚病、動脈硬化症、眼病に効能があるとされ、泉温は約43℃前後の為、加熱や加水をすることがないなどの特徴を持ちます。
湯田川温泉は平成13年(2001)に環境省より国民保養温泉地に指定されています。湯田川温泉の温泉街にある共同浴場は正面湯と田の湯の2軒で低料金で利用できます。
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